【4】装備変>野沢・谷川岳・神楽ヶ峰

【4】装備変>野沢・谷川岳・神楽ヶ峰

Rちゃんが居ないってどうしたん?

滑るテクはまだまだでも登りはガッツリ行けるパワーがあるのに、
傾斜がキツイから下りがヤバいんやろか?

と、思ったら、自分のザックに入ってるシールはKサンの板のもので
Iサンに借りて履いている板のシールはKサンがザックに入れたままゲレンデに下りちゃったらしい。
Kサンのシールでなんとか貼れないか試みたようやけど、アカンかったと。

『そら、しゃーないわ。いつまでも借り物で甘えて他人任せで確認まで怠った自己責任や』

ウチはキツイこと言うけど、自分に対して語ってる部分もある。
口に出すと耳から入ってくる。
活字にすると目から入ってくる。
そんなもんですわ( ̄∀ ̄)

少し登るととうとう迂回もニッチもサッチもできない岩場に出くわした。

同じ時期のデータをたくさん読み漁ったら、ほとんどの人がアイゼン必須と書いていたり
板を担いで登っている写真が多かった理由がやっとわかった。
雪がなくてシール登高で迂回さえもできないんや( ̄□ ̄;)

板がある上にスキーブーツで降りなければならない難所や
夏ならなんてことのない場所がこんなにも難易度が高くなるやなんてありえへん!
バケツリレーのように刻んで板を受け渡し確実に下りた。

なんとか岩場をやり過ごしてみたものの、近くて遠いトマの耳を眺め、斜面を眺め、ルートを眺め
I枝さんは自己判断によりここでゲレンデに戻ることを決めた。

Tサンは板をそこにデポしてスキーブーツにアイゼンで単独登ることを決める。
滑りのテクのこともあるけど、板を担ぐからそれに対応したザックは必携だったのに
どうやらTサンのザックは担げるベルトのついていないザックだった。
『事前情報で板を担ぐ可能性ありってメールしたやん』とウチ

Tサンがどういう状態で板を担ぐのか知らなかったことをウチは知らない。
山を初めていくばかも経ってへんウチは分からないことがあると
鬼のように質問攻めするかググりまくる。

イチバン最初に山スキーをやったのが2シーズン前の伊吹山や
そこで、『途中までは板を担いで登るから』と言われ、ありえへん!と思った。
登山道でスキー板を肩に担いでか手に持って自分の力量じゃ登れるワケがない!
とすぐにイメージできる。
『じゃ、どうするの』
『ザックにつける』
『どうやって、どんなふうに?ウチのザックには付けられるのか?』
聞けば教えてくれる、こちらの力量を考慮してサポートしてくれるもんですわ。

さてさて、山に荷物をデポ
山じゃよくある普通のことやし、山屋に泥棒はいないことになっている。
でも、去年の末に下界で車上狙いにやられ世知辛い思いをしてるだけに
借り物をデポするのは大丈夫とわかっていてもドキドキする。

最近、聞いた話では、冬の荷揚げ用の米をデポしておいたら人間に食べられたとか
避難小屋のスコップがなくなっていたとか…
気になるのでスグにググってみる 登山 デポ 盗難

あの山スキー達人YASUHIROさんがデポした登山靴を持って行かれたこともあるらしい
http://w2222.nsk.ne.jp/~turu/
ほんまかどうか、盗難のYASUHIROさんのブログ記事をググってみたがヒットしなかった(^_^;)

会のEちゃんが『借り物は壊したり何かあったりしたらどちらも嫌な思いするから
それに、装備がないことには参加できないから』
って言ってた言葉を思い出した。

装備の分担として持って来てもらったり購入する前にお試しとして貸してもらったり
そこまではなんてことないことやろうけど、
それ以上となるなら、やっぱ考えなアカンのやろなぁ
道具は買わなきゃ上手くなれない
道具は使わなきゃ上手くなれない

その通りやわな
気を使いながらやと上手くなれるはずがない。
ウチも前シーズンまで借りてたから大口は叩けないけど毒舌は吐く( ̄∀ ̄)

それでも、前々シーズンにハードシェルを買って、
前シーズンにはブーツを買って、
今シーズンは板とシールを買った。

今シーズン、めっちゃ上手くなったと褒められたのは自分の板やからかな?ふふふ

来シーズンは軽いブーツを買うつもりやったけど、高いインソールを入れたら履き心地バッチリ
せやから、次はピッケルと今年買いそびれたハードシェルパンツが欲しいなぁ(^ε^)♪

 

嫌んなるような狭い尾根や岩があり板を担ぎ肩こりパンパンで
そんなことを考えながら登っていると前方に白い雪に埋もれた赤い小屋を発見!
『熊穴避難小屋やぁ』

■ 12:20 熊穴避難小屋

熊穴からの滑りは35度を越える傾斜があるように見える

こっちが必死こいて登ってるのに誰かしらんけどジャンジャンとウチの携帯にかけてくるやつがいる。
だいたいが山での状態をしらないオカンが娘のことが多い。
出るまでシツコイぐらいかけてくるねん。

ただでさえ山での携帯の電池の持ちは悪い。
せやのに携帯の着信音がバカバカ鳴るとあっと言う間に電源が落ちる。

電波の悪いアイフォンのスマホはGPS用、電波のいいドコモのガラ系は緊急用として
重くて置いていきたくてもザックに携帯している。
去年、剱岳早月尾根に行ったときもオカンが鳴らし続けて
充電がスレスレになったときは肝を冷やした。

オカンはそれ以来、あまり長くは鳴らさないし、第一、着信音は家族ではない
ほな、誰やねん!<`~´>イラっ

何か緊急事態か?SOSか?
だったら何でウチにかけてくる?

ウチが電話を取るには、まず、十数メートル前を行くIサンを引き止めなければならない。
次にザックを降ろさなくてはならない。

どう考えてもこちらの状況がわかってる仲間内がかけてくるにしては非常識や
『ええ加減にせえよっ!シツコイねん』とキレた
と同時にこっちの電話もキレた。そして、Iサンの電話がなった。
Tサンからや
『死にかけてんか?SOSか?』思わず一人でボヤいてしもた。

どうやら、タイムアウトの時間を確認したかったらしい。
なんでウチにかけてくるのか意味わからん(ーー゛)
普通に考えてもリーダーにかけるもんやろ。

遅れをとってる体力のない、技術のない弱い側の人間に電話をかけるってことは
どういうことかよく考えて欲しい。
ウチを殺す気か?
手が離せない状態で電話がなるだけでもイライラするから危ないのに
万が一、遭難した場合の大事な連絡ツールが使えなくなったらどないしてくれんねん!

携帯は今や大事な装備やからね。

■つづく———————————>【5】