槍ケ岳飛騨沢大滑降2018年4月

 

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 4/21(土)500犬山出発、815新穂高登山者用駐車場、830出発、950穂高平小屋

     1110白出沢、1300チビ谷でシールオン、1400滝谷、1545槍平着

4/22(日)300起床、425出発、800飛騨乗越、910槍ヶ岳山荘、

     1010滑降開始、1045槍平着、昼食、撤収1145槍平発、

     1500白出沢(スキー靴⇒アプローチシューズ)1650新穂高着

 

 

 

 

 

 荷物が重い!!

2年前のGWは富士山でスキーの担ぎ上げとなったが、この時は登山口ベースでスキーは担いだものの日帰り装備、今回は槍平の避難小屋泊なのでテントは持たないもののスキー+ブーツの担ぎに加えてシュラフ・マット及び自炊の荷物があり重量は20kgを超えてしまう。私は共同装備に加えてビール500ml2本、リンゴ2個オレンジ1個など持ち込んだために重量は25kgに達してしまった。

 

 

 新穂高登山者用駐車場~白出沢

白出沢までは一般車は進入できないものの林道が有るため道は悪くないが何せ距離が長い、20kgを超える荷物は背負う事も稀なのでコースタイムにはとても及ばぬペースとなる。

(時間に余裕があったのでたっぷり休憩時間を摂ってしまったのが真の原因ではある。)

白出沢~チビ谷

白出沢からはシールオンで行ける想定だったが、今年は3月の気温が異常に高くなり例年に比べ全般的に雪解けが早くなっている。白出沢を過ぎてもシールオンは叶わずスキー板とブーツを背負って登山道を行くはめとなった。この時期当然ながらコースの整備は行われていないので、登山道脇の木が雪の重みで無数に登山道に倒れ掛かっており、ザックに背負ったスキーが常に引っかかりその度にお辞儀をして通過を強いられるが、25kザックを背負ってお辞儀をすると元の姿勢に戻るにも一汗かく始末であり、白出沢から滝谷まではコースタイムの2倍を要し、一日目は本来4時間半の道のりを7時間以上掛かってしまった。

 

 To be continued

 

 チビ谷~槍平避難小屋

チビ谷にて休憩しているとワカンを履いて下山してくる登山者が来たので、この先スキーで登行できそうな状況か尋ねるとすぐこの先で先行パーティーがスキーを装着してましたよとの答え、この時初めて先行パーティーの存在を認識、さっそくシール登行に切り替える。シール登行に変えるとスキー・ブーツ・シールの重量約7~8kg程度背負う重量が減るので随分と楽になるが、この辺りからは傾斜が大きくなってきてまた、ここまでの疲れもあり登行スピードは思うほど上がらないが、シール登行で登山道を外れたので視界も開け ふと前を見上げると漸く先行パーティーが登行している姿を捉えることが出来るようになった。周辺の山岳景色も素晴らしく元気を与えてくれる。

槍平到着
ちょうど槍平小屋の管理人が様子を見に来ていた様で槍ヶ岳方面の状況を尋ねることができた。2500m付近で18日に降った新雪が表層雪崩を起こしている、槍ヶ岳へは明るくなると同時には向かってもらいたいとのアドバイスであった。避難小屋はトイレも使用でき、避難小屋のすぐ近くに水場の穴(深さ約2.5m)も掘られて梯子も設置されており快適に過ごす事が出来た。
今夜の避難小屋宿泊は神奈川からの4名と我々3名の7名、その他にテントが3張り確認できた。
ここでハプニング、Bさんが楽しみにしていたビール(アルミ缶)に穴が開いてしまった様でアルミ缶はからっぽ、よく有るようですので皆様も注意しましょう。
夕食はBさん準備のアヒージョと生パスタ、彩も鮮やかでこの素晴らしい景色の中での食事は将にプライスレスである。

 
明日朝の起床は4時を計画していたが、神奈川のパーティーとも相談して3時起床に早めて午後8時には床に就いた。

4/22 槍平から
3時起床、4時出発の予定であったが、トイレ待ち等で30分スタートが遅れた。へどライトを点灯してシール登行を始める。一面の積雪で特に問題はない。神奈川のパーティーはクトーを持っていない様でバーンの傾斜がきつくなって来るに連れ遅れはじめだし、急速に差が広がった。順調と思っていたが、Tさんのビンディングはディアミールで踵を上げるとクトーの効きが悪くなるという弱点が表面化、そうこうしているとクトーのない神奈川のパーティーはスキーを担いでアイゼン登行に切替いつのまにやらTさんを追い越してきた。

 
滑降
早朝はハードなアイスバーンの斜面だったが、徐々に日差しが高くなるに連れアイスバーンも緩み始めてくるが、帰路の時間配分も考慮して滑降に入る。
初めは慎重に滑降を始めるが、思いのほか広く真っ平らなバーンは快適な滑降を楽しめる。スピードも出せるのでかなりのロングランもアッという間である。標高2000m付近になるとハーフパイプ形状の斜面にザラメとなりこちらも楽しい。

槍平~帰路
帰りもチビ谷まで滑走、その後はまたスキーを担いで登山道を戻る。食糧・飲料は減っているので行きよりは荷物も軽くなっているが、雪は腐っておりアプローチシューズではずぶぬれになるので白出沢までスキー靴で歩いた。

所感
槍ヶ岳からスキーで滑降するというイベントには格別の印象がある。山スキーコースの多くはスキー板にシールを装着してのシール登行から入る事が多く、またその殆どが日帰りであるために背負う荷物も限定されそれほど負担にはならないが、その荷物が20kgを超えるようになると滑降時も思いのままにはならない。この時期槍ヶ岳山荘は冬季避難小屋も使用できるようであり、歩行での登山者は槍ヶ岳山荘の冬季避難小屋で宿泊し翌日に下山するのが一般的の様である。しかし、スキーの場合はシールを装着できるところまでのアプローチの背負う重量が負担となり一日で山頂に達するのは少々負担となる。そのためスキーでの槍ヶ岳挑戦は槍平にて1泊して、翌朝に山頂を目指すこととなる。
日帰りでは困難なコースであるためにそれを達成するためにはそれなりの困難が伴う。しかしその先には素晴らしい斜面が待っていることを今回知ることが出来た。